USB ROM Writer

はじめに

フラッシュメモリや EEPROM の普及により、UV-EPROM が使われることが少なくなりました。とは言え、古い機器では依然として UV-EPROM が使われている場合があり、そのような機器の愛好家は依然として UV-EPROM ライタが必要です。

しかし、多くの UV-EPROM ライタは高価であり、また、セントロニクス型ポートや RS-232C ポート等のレガシーインターフェースを必要とするので、USB が一般的となった現代では使いにくくもあります。

そこで西田ラヂオは、USB 接続できるシンプルな UV-EPROM ライタを開発しました。64K, 128K, 256K, 512K, 1M, 2M, 4M ビットの UV-EPROM(28 ピン又は 32 ピンで、6V & 12V で書き込み可能なもの)を想定して設計されております。

現時点では 64K、256K、1M の ROM のみ確認しておりますが、今後、西田ラヂオデジタルのホームページで最新情報を掲載して参ります。

ソフトウェアはコマンドライン版のみで、Windows または Mac OS X で使用出来ます。

15V - 20 V 程度、0.3 A 以上の外部電源が別途、必要です。

書き込みは、スタンダードアルゴリズム(パルスによる連続書き込み)のみで、書いては検証する PRESTO II 等のアルゴリズムには対応しておりません。

機器の説明


上に各部の名前を示します。

電源コネクタは、電源アダプタを接続するコネクタです。外径 5.5 mm、内径 2.1 mm の標準的なコネクタであり、中心がプラスとなっています。15V - 20 V 程度、0.3 A 以上の外部電源を接続して下さい。

USB コネクタは、USB ケーブルでパソコンと接続します。

ROM ソケットに UV-EPROM を差し込みます。方向は、右が ROM の頭となります。28 ピンの ROM は、左側をそろえて差し込みます。ソケットは2重になっておりますので、故障した場合に交換可能です。

7 個の設定スイッチは、ROM の種類により設定します。以下の表に従って設定して下さい。 1 が H を, 0 が L を表します。

容量型番スイッチ設定
書込読出
64K27C64 etc0100000同左
128K27C128 etc0100000同左
256K27C256 etc11100000110000
512K27C512 etc10100100110010
1M27C010, 101, 1001 etc0111010同左
2M27C020, 2001 etc0111010同左
4M27C040, 4001 etc11111100111110

電圧スイッチは、通常は L に設定し、書き込み時に H にします。

リセットスイッチは、書き込み、読み出し前に押して、アドレス用カウンタをリセットします。リセットスイッチを押すと、リセットインジケータが点灯します。

ドライバの準備

本 ROM ライタは、USB コントローラとして、FTDI 社の FT245R を搭載しております。それぞれの OS 用のドライバが必要になりますので、FTDI 社のホームページから D2XX ダイレクトドライバをダウンロードし、インストールして下さい。

書き込み方法

(1) 電源を繋ぎ、USB ケーブルでパソコンと繋ぎます。電圧スイッチが L になっている事を確認します。

(2) ターミナルから WriteRom を実行します。引数は、書込むバイナリファイルです。バイナリファイルのサイズは、ROM の容量(バイト数)と等しくなければなりません。

Windows:
WriteRom fileToWrite.bin

Mac:
./WriteRom fileToWrite.bin

(3) ROM の種類に応じて 7 個の設定スイッチを設定します。

(4) ROM をソケットに差し込みます。

(5) リセットスイッチを押します。

(6) 電圧スイッチを H にします。

(7) リターンキーを押すと、書き込みを開始します。

(8) 書き込みが終了したら、電圧スイッチを L にし、ROM を抜き、リターンキーで終了です。

読み込み方法

(1) 電源を繋ぎ、USB ケーブルでパソコンと繋ぎます。電圧スイッチが L になっている事を確認します。

(2) ターミナルから ReadRom を実行します。引数は、読み込んだデータを格納するバイナリファイルと、ROM の容量(バイト数)です。容量は 16 進数で指定します(例えば 64K ビットなら 2000)。

Windows:
ReadRom fileToRead.bin 2000

Mac:
./ReadRom fileToRead.bin 2000

(3) ROM の種類に応じて 7 個の設定スイッチを設定します。

(4) ROM をソケットに差し込みます。

(5) リセットスイッチを押します。

(7) リターンキーを押すと、読み込みを開始します。

(8) ROM を抜いて、終了

注意事項

ROM は、電圧スイッチが L、設定スイッチが適切に設定されている事を確認してから、差し込んで下さい。

消去が甘いと、上手く書込みできない場合があります。

書き込み確認済みの UV-EPROM

現時点では、以下の ROM のみの書き込みを確認しております。 西田ラヂオデジタルのページに最新情報がございます。

容量型番メーカー
64KM27C64A-12F1ST マイクロ
128KHN27128AG-25日立
256KM27C256B-12F1ST マイクロ
256KHN27256G-25日立
256KD27256NEC?
512KM27C512-12F1ST マイクロ
1MD27C1001A-15NEC
1MD27C1001A-12NEC
1MD27C010AD-12NEC
1MHN27C101AG-10日立

以下の ROM の書き込みは出来ませんでした。

容量型番メーカー備考
64KM5L2764K三菱21V 書込み品の様です