この製品を企画した時点で、既に発表されている類似の製作例として Pseudo DISK II がありました。 ProDOS 対応というメリットがありました。 Apple II のスロットに直接刺すカードになっており、バスへの接続に、やや高価な CPLD を使用していました。 DISK II インターフェースカード上の ROM の内容が必要で、著作権上の問題がありました。 DSK イメージが SD カードの連続したアドレスになければならないという制約がありました。
西田ラヂオは、出来るだけコストがかさまないように、著作権の問題も無いようにと言うことで、 DISK II インターフェースカードをそのまま使用することを考えました。 Woz による究極のロジック密度を誇るこのカードを使わない手はないと思ったのです。 AVR マイコンのお陰で、SD カードへのインターフェースと、DISK II カードへのインターフェースを 同時に実現し、さらにコストも抑えることが出来、西田ラヂオのような弱小工房でも生産可能なものが 出来ました。 「可能な限り、ソフトウェアで実現する」というコストダウンの手法は、まさに Woz に倣ったものです。
この製品を作るにあたって、Red Book と、Understanding the Apple II の2冊には、とてもお世話になりました。 Apple II と言う小宇宙を探検することは、この上ない喜びであり、最高の勉強です。 例えば DISK II のシリアルデータの扱いは USB に似ていますし、Apple II には、今に続く技術が詰まっています。 今後、Apple II はまだまだ使われて行くでしょう。 西田ラヂオの製品も、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。